何事もなかったように働いていると、昨日のことが夢物語のように思えてくる。
でも、起き抜けに「FOR YOU」の存在を確かめたから、大丈夫。
夢だけど、夢じゃなかった!
昨夜、21時過ぎにライブが終わり、ちょうど試合終わりのベイスターズファンに紛れて帰路につく。
余韻に浸りたいけど、なにしろ4時起きなので、疲れはピーク。お風呂に入って、濡れた髪のまま日付が変わる前に熟睡した。
2回目のライブは、良い意味で緊張せずに、音楽に集中できた。
前回はろくにピントも合わせられなかった双眼鏡を駆使し、達郎さんやサポートメンバーの皆さんの姿も楽しめた。
私には、彼の音へのこだわりを専門的に考察する知識がないので、
ただただ、一ファンとして、この場を借りて飾り気のない感想を残したい。
何度でも夢物語を思い起こせるように。
※セットリストに沿いたいけど、間違っているかも。
1.SPARKLE
このギターカッティングを、どれほど待ち望んでいたか!初っ端から気分は最高潮。
オープニングの定番だと知っていても、救われた気分になる。
そして、2回目にして、山下達郎の存在が現実味を帯びてくる。
古希を記念して、紫のシャツをお召しになられた彼が、あそこで歌ってる。
ライブが、はじまったんだ!!
2.雨の女王 (RAIN QUEEN)
早速知らない曲で焦ったけど、どうやらライブアルバムのみに収録されている、隠れた名曲らしい。「スプリンクラー」や「雨は手のひらにいっぱい」をはじめ、達郎さんの雨の表現がうーんと好き。
3.ドーナツ・ソング
やっぱり、君のこと好きなのさ。
かわいくて、COZYで。CMリバイバルの影響で歌われたのだとしたら、ミスドと菅田くんに感謝したい。
エンゼルクリームみたいに私の目尻はとろけてた。
4.土曜日の恋人
まさかこの曲が聞けるなんて....!「まずはじじいのやりたい曲を」と言ってたけど、こちらこそ、とんだ嬉しいサプライズ。
何かが始まりそうで、うきうき、ワクワクが止まらないメロディーとリズム。
ひょうきん族リアル世代の方、いいなあ。今度、放送ライブラリーで見よう。
5.SOLID SLIDER
達郎さんが、私と同い年くらいの時に作った曲だって?こんなにかっこよくてセクシーな世界観を歌える20代、信じられないよ、これが才能か。ナイフで引き裂かれるようなシャウトにしびれた。
6.FUTARI
イントロ、難波さんのキーボード、綺麗すぎて。
切ないのに、本当は心細いのに、サビの盛り上がりと共に「2人でいる答え」を信じざるを得ない感覚。讃美歌だ、ゴスペルだ。
レコード買って、本当に良かった。この曲が聴けるんだもん。
7.潮騒
続けてこの2曲はズルいよう。
そっと、優しく包み込む達郎さんの弾き語りは、歌詞そのもの。
「君の心は傷つきやすいから いつも僕が包んであげたい」
「寒くないかい 素足では」
やーん、こんなにキザな言葉なのに、泣きたいくらい沁みる。
8.Groovin’ (The Young Rascals)
達郎さんの青春の一曲。
70歳、本当におめでとうございます。口癖のように「まさかこの年まで歌い続けているとは思わなかった」と貴方は言いますが、音楽の神が決して放してくれませんよ。
これからも永遠に!
9.Bella Notte
ここからは、「SEASON'S GRRETINGS」より、クリスマスメドレー。
母が昔気に入って聴いていたアルバムだ。
真夏日の9月が、途端に白銀のクリスマスに。
10.Have Yourself A Merry Little Christmas (Judy Garland)
心に、キャンドルのように火がともっていく。
漸く秋らしさを楽しみつつあるのに、もう冬が待ちきれなくなってしまった。
11.クリスマス・イブ
もう、心から愛してやまない!最高のイントロとコーラス。
私が山下達郎を知るきっかけとなった曲。
前回は巨大リースが降臨したけど、今回はシャンデリアのような星空。
ふと、意識が県民ホールを離れ、上品なクリスマス装飾が輝く日本大通りの一角へ。
憧れのアルテリーベの前で、店の外観とお揃いの赤いマフラーを巻いた一人の女性が、きっと来ない人を待ち続ける姿。
こんな妄想が膨らんじゃうくらい、うっとりと、引き込まれた。
12.メドレー
・蒼氓
クリスマスムードから一転、この曲を聴くと、原風景を思い浮かべる。
許されるのなら、会場全体で「La la la~」をコーラスしたかった。
「憧れや名誉はいらない 華やかな夢も欲しくない 生き続ける事の意味 それだけを待ち望んでいたい」
世界中からの注目や賞賛の移り変わりもそのままに、ご自身の信念で音楽と共に生きる達郎さん。
他人の目線を気にしてしまう私も、少しづつ見習えたら、いいな。
・私たちの望むものは (岡林信康)
今日、原曲を初めて聴き、蒼氓と合わせる意味が分かった。
"生きる"ことに対して絶えず真摯に向き合い続けたいと思わせてくれる。
・希望という名の光
達郎さんの素敵なところは、夢を見せるばかりではなく現実に向かう勇気を与え、鼓舞してくれるところだ、と改めて実感。
13.ずっと一緒さ
「ずっと一緒」なんて歌うラブソング、安っぽくて嫌いだった。
そんなひねくれた私の捉え方も変える魔法。
変なプライドや余計な損得勘定は、この曲の前ではいらないね。
こんなに励ましてくれる言葉は他にないから。
14.メドレー
・SILENT SCREAMER
きました、ノリノリタイム!!手拍子も捗る。
今更だが、サポートメンバーの皆さんのソロも、とんでもないカッコよさ。プロの仕事。
・BOMBER
ファンキーなナンバーが続く。
段々と、手拍子もそこそこに、巻いた髪や体を揺らしてリズムに乗る。
あの頃、大阪のディスコで踊っていたおねえさんの魂が乗り移ったかのように。
15.メドレー
・LET’S DANCE BABY
一斉に立ち上がるお馴染みさん方。
前回のように立って踊りたいけど、3階席だし、後ろの方もいるのでやめておいた。クラッカーも、前の残りが紛失したから今回はお預け。
宙に舞う紙テープと火薬のにおい。
踊り続ける私。
・愛を描いて-Let’s Kiss the Sun-
・さよなら夏の日
・CHEER UP! THE SUMMER
・Mean Woman Blues (Roy Orbison)
上記4曲を1節ずつ。
メドレーでもいいから、いつか「ターナーの機関車」聴きたいなあ。
16.CIRCUS TOWN
ショーが終わりに近づいているのに、サーカスが始まった!
全く色褪せない、むしろ新しいサウンドで。
ソロデビューアルバムの一曲目が、時を超えて今も愛され続けている。
"シティーポップ"なんて言葉がリバイバルし、私と同年代、さらには下の世代が達郎さんの音楽のとりこになるわけだ。
(余談だが、ライブをきっかけにこの曲の魅力に取りつかれている。)
アンコール
17.Sync Of Summer
赤シャツにお色直しして、アンコールは新曲からスタート!
「お得意の妄想ソング」と自分で揶揄っていたけれど、こんな素敵な夏の風景を、妄想で曲に書き起こせるものかしら?幻影なのに、何故か懐かしい夏の日に同期させてくれる。
私も妄想力には、自信あるんだけどなあ。足元にも及ばないや。
家にTVがなくて午後の紅茶のCMをなかなか観れないので、フルでライブで聞けてとっても嬉しい。
18.Ride On Time
小噺で、伝説のマクセルUDカセットテープCMの裏話を聞かせてくれた。
サイパンのコウモリ料理、硫黄で顔がパンパン、などなど、散々だったそう!
そして、待ち望んでいた生声。コロナ罹患をきっかけに始めた断酒で、より声が出るようになったそう。いやはや、納得の声量、圧巻の生声。
70歳を迎えてなお、進化し続けるその姿に脱帽です。
19.恋のブギ・ウギ・トレイン
ノンストップでショーはフィナーレへと向かう。
元々アン・ルイスさんに書き下ろしたこの曲は、今ではライブの定番。
悔いなく、すべてを出し切るように、右手を挙げてBoogie Woogie !
20.YOUR EYES
ラストはやっぱり、この曲。
ああ、ライブが終わっちゃう。この時間が永遠に続けばいいのに、とつい願うけど。
達郎さんがいつものように、最後に「どうぞ皆さん、共に助け合って、励ましあって生きていきましょうね」と、語り掛けてくれるから、そんな優しい現実に戻るのも悪くないな、と思える。
「I've always lived my life in fantasy
No chance to take, no heart to break
But now you take my hand and
You make me understand
that two dreams, can join together」
いつか、この歌を結婚式で流す。そんな秘かな夢のためにも、明日からまた頑張ろう。
約2時間半の夢物語、これにて終演。
長くてつたない、自己満の備忘録にここまでお付き合いくださった方、どうもありがとうございます。
そのうえで厚かましいのは承知ですが...
ぜひ、生けるレジェンド、山下達郎の音楽に触れてみてください。