なつにつ記

過去と今を自由に飛びまわる私記/エッセイ。 レトロでファニーでちょっぴり不器用なくらし。 食いしん坊。 短編小説だと思って、お暇な時にぜひに。

こげぱん生活

 

世はGW真っ只中である。

 

かくいう私は、激動の五連勤を終え、今日休んだらまた怒涛の五連勤が始まる。

あゝ サービス業のさだめかな

 

それでも今、心も体もぽっかぽかでフワフワなそのワケは、大好きな温泉に来ているから。

幼い頃から大変お世話になっている京急グループが運営する、「みうら湯」さん。

 

この地に慣れてきた去年の6月頃、初めてアパートに泊まりにきてくれた母と訪れたのが最初。

黒湯の炭酸温泉も、馴染みの赤い電車を眺めながらの露天風呂も乙で最高で、すぐに「お気に入り温泉リスト」に加わった。

※まあ、シャワー生活の今の私にとって、どんな温泉も(なんならご家庭のお風呂も)ヨダレを垂らしてありがた〜く頂くことには変わりないが....

 

「1人でもまた来ちゃいないよ〜」と母に勧められたが、私の毎月の予算の中に「温泉代」を組みこむ余裕を見出せず、悲しいかな、その後訪れることはなかった。

 

ところが先月末、高校から仲の良い友人がお泊まりに来てくれた際に再び来館の機会が訪れた。というのも、大事な友達にお粗末シャワーを使ってもらうのは忍びなかったからだ。

 

2度目のみうら湯さんはやっぱり最高で、小雨が降る中、季節の変わり湯である桜の香りの露天風呂を堪能した。

 

そして風呂上がり、夕食に同施設の食事処、「みうら亭」にて、衝撃の出会いを果たすことになった。

 

「お風呂上がりだからサッパリ系かな〜」と思いつつも、なんとなく「チキン南蛮定食」に心惹かれ、注文。

正直、温泉の食事処は、「割高で味はまあまあ」という私的統計があるので、あまり期待はしていなかった。

 

しかし、その未熟な統計が覆ることに。

まず驚いたのがこのボリューム。

「みて!わたしの手の平より大きいよ」

焼き魚御膳を頼んだ友達とケラケラ笑いつつ、一口食べて、びっくり。

 

お.....おいっ...しい....

 

お肉が、大きい上にぷるぷるとジューシーで柔らかい...

衣の上がり具合もカリサクで完璧...

そしてこの"自家製しば漬けのタルタルソース"、ピンク色で見た目も華やかながら、絶妙な味加減。マヨと漬物って、禁断の組み合わせだ..!タルタルにらっきょうを入れる訳がわかった。

その上、濃厚なタルタルを中和する、甘酢だれの影の立役者ぶりったら....中島誠之助さんも「いい仕事してますねぇ」と言わざるを得ない。

何よりこのボリューム...!"美味しい"が永遠に終わらないかのように錯覚できる食いしん坊泣かせ....っ!!

ここの厨房...只者じゃないっ....!!!

このチキン南蛮なら、宮崎の親族の皆さんにも献上できる代物だ...っ!!

(だんだんハンチョウみが増してきた)

 

なにしろ私は、母の地元である宮崎で本場のチキン南蛮を食べたその日から、チキン南蛮が大好物なのだ。

だからこそ、関東の「コレジャナイ南蛮」によって幾度となく悲しい思いをしてきた。

 

これは奇跡の出会いだ....

 

私はすっかり上機嫌で、友人との楽しい会話もさることながら、大満足の湯上がりディナーとなった。

 

湯船やサウナで汗をかくことで、ガツンとしたチキン南蛮がさらに美味しく感じるのかもしれない。

多分私は、サウナ→水風呂→外気浴→チキン南蛮(NEW!)という独自の"整い“が必要な体なんだと思う、きっと。

 

※ちなみに全く関係ないが、大好きなブロガーの「かんそう」さんが書いたサウナ(整い文化)についてのブログが面白すぎるのでぜひ一度は読んでいただきたい。

www.kansou-blog.jp

 

数日経ってもこの時の感動が忘れられず、月の予算である「外食費」を手に、みうら湯を訪れ、ランチを頂いた。

※みうら湯さんは食事処のみの利用も可能

 

そして先日、何気なく両親に「すっごく、美味しいんだヨッ⭐︎」と興奮気味に話をすると、

目の前に大好きな温泉があるのに入れない、食いしん坊な娘を不憫に思ったのか、

 

父が、そっと私に10回分の回数券をくれた。

 

毎度のことながら、父の、家族の優しさや温かさには涙を禁じ得ない。

 

あゝ、父よ...本当にありがとう。

早めの25歳の誕生日プレゼントだと思って、ありがたく頂戴するね。

 

 

かくして貴重な休みの今日、2度目の1人温泉を楽しんだのち3回目のチキン南蛮をいただいた。

今日も今日とて幸せのボリュームだった。

(ちなみに隣にいたシニアのお姉様方は、「ちょっと〜多すぎるわよ、これ」とお残しを余儀なくされていた。)

 

同じ店の同じメニューでも、調理する方の違いやコンディションによって美味しさが変わるのが常だが、このチキン南蛮はいつも私を満足させてくれる。

厨房の、百戦錬磨のおそらく主婦の皆様は、ピークタイムも笑顔で、変わらぬ美味しさを提供してくれる。

 

つまり、"LOVE"ってこと....

 

そろそろ、他のメニューにも手を出したい。

一度「鶏×揚げ物が上手いなら、きっと油淋鶏も間違いないはず...っ!」と、ちょうせんしてみたところ、

「あれれ~?しょっぱくて硬いぞ?」というダブルパンチを喰らったので、なかなか冒険ができずにいる。チキン南蛮への絶大なる信頼....恐るべし。

 

他のお客様をチラ見したところでいえば、平日限定の日替わりメニュー(少しお得)や、とんかつ、天丼も美味しそうなので、これからが楽しみだ。

 

はぁ〜、お腹いっぱい、満腹満腹。

 

 

幸せな気持ちで、休憩所で寝転がる今の私。

 

なんとここの施設にはたくさんの漫画も常備されているため、休憩所で食休みがてら漫画を楽しんだのち、再入浴して帰る、と至福のコースが叶ってしまうのだ!

この前は漫画を読みながらうたた寝してしまったが、その時間は何にも変え難いほど幸せで、「このまま時が止まらないかなぁ」と本気で思った。

 

そんなわけで、GWがどんなに目がまわるほど忙しくても、休日の温泉があれば体も心もリセット可能なのだ。ふふふ。

 

食休みついでに、最近の私の色々をば...

 

 

4月28日、ついにエアコンの除湿(24℃設定)を解禁した。が、職場の同僚の皆様にそのことを話すと、「夜は網戸で寝ている」という方が多いことに気づく。

 

ということで昨日は私も網戸で寝てみることに...

なるほど、確かに自然の風は涼しい。

ただ、暴走族のバイクの音や、道行く夜更かし人(よふかしんちゅ)の喋り声が気になったり、

深夜なぜか目が覚めたと思ったら、アパートの真下の住人の(おそらく)ガールフレンドとの電話声(※)が故意ではないが筒抜けだったり...

 

代償はつきもの。

 

※ボソボソ話してたと思ったら、急に「オイッ、話聞いてるのかっ!?」などと、目玉親父のような声色でふざける謎のタイムが、何分かに1回あるせいで、なかなか眠れなかった。

 

ま、同じアパートの住民が幸せなことに越したことはない。私も、いつも掃除機やらドライヤーやら物落とすやら足音やらで、ご迷惑かけてるから、これでおあいこだネッ⭐︎

 

あ、あとは、実家から拝借したホームベーカリーや、父に頂いた発酵メーカーのおかげ様で、食卓も潤い始めている。

手作り食パンや、手作りヨーグルトがいつでも食べられるだけで、生きてる理由って充分なんだよな、って心から思う。

米粉パンや胡桃パンも作りたいし、発酵あんこやカッテージチーズも作りたいし、

使いこなしてもっとお料理上手になれるよう、頑張るのだ!

 

他にも、日常に転がる些細な「面白いこと」「嬉しいこと」「楽しいこと」を1人で見つけては、クスクスとこっそり楽しんでいた。

 

し、これからもそうするつもりだ。

 

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終始ふざけた日記となったが、実をいえば2月の中頃から先週頃まで長らく、日記を書く余裕もないほど、日々を生きるのに精一杯だった。

ぐるぐると、もんもんと、うじうじとする日々が続いていた。

 

原因は、色々あるけど、正直職場でのあれこれが大半。

主に、一人暮らし⇄職場 という狭い世界で生きているせいで、仕事での負の感情は日常をあっという間に侵食しはじめる。

 

あ...私のワークライフバランスが...

 

なんて思い始めた頃には、元々低い自信も底を尽きて、

 

「どうせ...」といろんなことに対して卑屈になりはじめて、

 

 

気がついたら、こげぱんになっていた。

こげぱん



https://www.san-x.co.jp/character/detail/?code=KOP

こげてしまったためにやさぐれてしまったぱん。それが「こげぱん」。何事もなげやりで後ろ向き。実は中身は十勝平野産の高級あずきでつくられた上質なあんこ。

 

今も実家にある、大好きなこげぱんの絵本を思い出す。

 

こげぱんは、何をやってもうまくいかないし、うまくいかないことを、自分がこげているせいにしている。

 

でも、本当はありのままの姿をみんなに愛されているし、焦げていても、中身は美味しいあんこでできている。

 

私も、本当は頑張れるのに、

一度「否定された」と感じると、高い防衛意識が働いて、怖気付いて、頑張れてたことも頑張れなくなっちゃう。

 

相手は"私自身"を否定しているわけじゃないと分かっているのに、「どうせ...」と、自分の価値や存在を、己が真っ先に否定し始める癖がある。

 

現実逃避で転職や、「未来のこと」を考えようとしても、「どうせ私には無理だよ」と私にすぐ邪魔をされ、また落ち込む日々。

 

いつもなら、ここで逃げていた。

 

でも、

 

でも、この町とあの街での最後の1年。

せっかくだから、少しだけ頑張ってみようかな。盗めるところは、華麗に盗んでみようかな。

身につけた「うまくサボる方法」や「自分を守る方法」をお守りに。

 

そう、なぜか思った。

 

というわけでここ一週間ほど、試しにいつもの3割増で、仕事に真摯に向きあってみた。

ら、自分でも見違えるほどに、着実に成長した。

 

そして、ようやく気づいた。

 

社会人になって2年、私は否定されたくないばかりに、「失敗を避けることを第一」に動きすぎていたんだな、と。

 

でも今、ようやく失敗を受け入れてみると、

気が進まないことも眉間に皺寄せながら、唇思いっきり尖らせながらなんとかやってみると、

 

そしたら意外と「なんだ、こんな簡単なことか」って思えてきた。

 

私が頑張れば頑張るほど、休日まで思考を巣食ってきた負の感情が、消え始めた気がする。

 

(ああ、あれは"不安"だったんだな)

今、漠然と思う。

 

もちろん、ワークライフバランスの割合を一切妥協するつもりもないが、

ライフでは手に入らないお金以外の何かを、しっかりと盗んで、私の糧にしていく所存だ。

 

相変わらず、人と比べる癖は抜けず、キレイパンやメロンパンたちを羨んでは落ち込むこともあるけれど、私らしく、私のままで、25歳を迎えたい。

 

さて、どうなることやら....

 

 

そういえば、前回の日記を読んだ方に、心配のお声を頂いたが、ありがたく思うと共に驚きもあった。

 

そうか、普通の人は軽率に、「消えたい」とか「生きるのめんどくさい」とか思わないんだな、と。

 

子供の頃から、こういう波のある感情と付き合ってきた私にとっては、当たり前の、生きる上での副作用みたいなもんだったから、軽いカルチャーショック。

 

平気よ。当の本人は、なんだかんだ、些細なことでまた立ち上がって、ケロッと図太く生きるから。

 

「温泉に行ける」「美味しいチキン南蛮を見つけた」

そんなことで、またケラケラ笑えるから。

 

大丈夫。他の人より不安の波が激しいだけ。そんで、溺れた時に、人の助けを借りるのがほんのちょっぴり下手なだけ。

 

私はそんな、変な私を、愛しんで今日も、明日もがんばってみようと思う。

 

そんな変な私を、こげぱんみたいな私を、見守ってくれて、いつもありがとう。