金木犀の香りが恋しい。
もう11月の2週目なの?もう年末ムードなの?
異常気象で暑い日が続いても、
街中はさっさとクリスマス仕様に早着替え。
今年のみなとみらいクリスマスは、100周年のワーナー・ブラザースとのコラボレーション。
ホグワーツ生徒にコスプレしたお兄さんが、フクロウ(のぬいぐるみ)を撫でながらじっとツリーを見上げてた。
ちなみに私の大袈裟な表現力は、トムとジェリーのDVDを履修して培ったものだ。トゥイーティーも大好き。声真似できるよ、わういねこたん。
でもこの季節はやっぱり良い。心地いい寒さと、心地いい日差しと。そうそう、大好物のラフランスも旬だしね!
駅の催事場で200円で手に入れた。今年初!
でもね、ちょうどこの日、イヤなこともふたーつあったんだ。ラフランスで幸せいっぱいの朝食を終えた後、食材の買い出しに行ったときのこと...
前にも書いたが、黒い食べ物に目がない私。イカ墨、黒豆、黒胡麻...なので、大戸屋の黒酢あん定食も御多分に洩れず大好き。
前から家で作ってみたかったので、この日業務スーパーで黒酢を買い、違うスーパーへ蓮根も買いに向かった。
普通の綺麗な蓮根と、切り口が変色した値引き蓮根、どっちがいいかなあ....と野菜コーナーを行ったり来たりウロチョロする。
よし、決めた。今日使うのだから安い方。節約節約。値引きコーナーに戻ろうと、おじさんの後ろを通り抜けようとする。
あっ、ちょうどかご一つ分くらいしか通れないか。でもおじさんがちょっと、お尻引っ込めてくれれば...
「おめー、わざわざ狭い方通らないであっち(広い通路)行けばいいじゃねえかよ!」
怒鳴られた。
ちらりと見ると、確かに大きな柱を挟んで向こう側は広い通路だった。視野が狭い私は蓮根への最短ルートしか見えていなかったらしい。しかも、狭さに気づいたのはおじさんのお尻とかごがぴったり隣り合った時で、そこまできたら通る事しか考えていなかった。
私がもう少し予測ができてたら、おじさんがよける手間はそもそもなかったかもしれない。それか、通るにしても、「すいません、後ろ失礼しま~す」とか愛想よくいえてたら...
...反省はするけど、そんなに怒ることないじゃないか....
まだまだ子供な私は、「ごめんなさい」とは言えず、唇を尖らせながら、「いやただ通りたかっただけです....」と、聞こえるか聞こえないぐらいの小さな声で呟きながら、
”嫌な思いをして手に入れたにしては貧相すぎる蓮根”を手に、逃げるように去る事しかできなかった。
その時、時刻は9時半過ぎ。朝から人にマイナスの感情をぶつけられると、人間これほど気分が落ち込むものなのか。ズドン。
私の未熟さか、繊細ゆえか、嫌なことがあると、人より長めにうじうじ落ち込む気がする。わー!!!やだー!!!さっと気持ち切りかえて自分~!!
追い打ちをかけるように、だ。例の蓮根がたっぷり入った黒酢あんかけは、あまり美味しくできなかった。
黒酢が強すぎる、酢豚もどきみたい。レシピ通りつくったのに、どうしてよ...野菜を素揚げしなかったから?でも、味付けは全く一緒なのに...ズドンズドン。
食べることが何より好きな私にとって、おじさんの怒声くらいイヤなことだった。
ええ~い、休日に落ち込んでたまるか。
今日はとっておきの新しい挑戦が控えているんだ。よかった、予め楽しい予定を作っておいて...
というのも実は今日、気になっていた近所の居酒屋さんのランチに行くつもりなのだ。
付き合いでしか滅多にお酒を飲まない私だが、居酒屋さんのランチ営業には弱い。
しかも、定食が600〜1000円というコスパの良さ。(ご飯味噌汁おかわり自由で、ドリンク付き!)
昼とはいえ、1人で居酒屋の暖簾をくぐるのは初めてでドキドキ。いざ。
「こんにちは〜」
カウンターの端っこに案内され着席。
と同時に、「何にします?」と尋ねられた。
おっ、さっそくか。ランチメニューは10種類もないもんな。
えーと、ホワイトボードが日替わりメニューかな?
日替わり定食はオムライスと豚肩ロースステーキかあ。1番安いミックス定食(好きなフライを二種チョイス)が人気そうだが、揚げ物はよしとこう。
事前の下調べを経て、気分的にもお魚の定食かな、と目星をつけておいて良かった。
サバ塩焼きも捨て難いけど、やっぱりこれ!
「炉ばた定食、お願いします」
ふう。
改めて店内を見渡すと、家庭的で隠れ家のような雰囲気で落ち着く。
常連さんや昼休憩のリーマンで賑わい、回転も早いが、アルコールや喧騒がない分、初めて来たとは思えないくらい居心地が良い。
お箸やお水、調味料からお手拭きまでセルフサービスで、孤独のグルメにもピッタリだ!
お、きたぞきたぞ!今日の炉ばた定食は、金目鯛の一夜干し。
お値段900円。
提供に時間がかかったからと、お魚をおまけしてくださった!見知らぬ人の怒声が、見知らぬ人の親切で一瞬にしてかき消されたよう。
いただきまーす!
あっ、味噌汁もお新香もかなりの薄味で嬉しい!居酒屋さんだから意外!
どれどれ、メインの金目鯛は...うん!炭火が香ばしい焼き加減。しっとり柔らかくて、骨までぱりぱり食べれちゃう。
こちらは塩気がかなりあるから、レモンとたっぷり盛られた大根おろしが嬉しい。
白ご飯との相性も抜群!
一応大人のレディーだから大きな声で言えないけど、焼き魚を箸で綺麗に食べるの難しい...特に、水分量少なくて身と骨がしっかりくっついている干物。
口に入った骨すら、手を使っちゃいけないのでしょ?食いしん坊だから可食部わざと残すの嫌だし....練習あるのみ、ですね。
ごちそうさまでした。
回転率に貢献しようと、食後のアイスティーを秒速で飲み干した。
次回は豚バラ生姜焼きか、肉茄子味噌炒めかな。通いたいと思える店を、近所に見つけられて、う〜んと幸せ!
美味しいものを食べると、イヤなことはどこかへ飛んでいっちゃうね。
でもまだまだ畳みかけるぞ!と意気込んで、
その翌日も大変充実した1日となった。
まずは図書館へ。今日借りた本は3冊と少なめ。図書館で、長い長い予約待ちを得て受け取った「贅澤貧乏」(どこで知ったんだっけ?)と、金沢のガイドブック。
2月に控えたバケーションで、初の一人旅をするかもしれなくて、行先含め現在検討中なのだ。雪降る城下町...いいよなぁ。
写っていないが、「ルート225」という文庫本も借りた。途中まで読んだが、小気味良いSFって感じ。女子中学生(主人公)のリアルな語り口調が少し読みづらいけど。映画化もしたんだね。
※ちなみに贅澤貧乏は、私にはちと早かった。1960年代の言い回しは難しい...
いつの間にお昼。みなとみらいグランドセントラルタワー下のMMテラスのベンチにて、国際色豊かな皆様を眺めながら、おにぎりをかじる。
旬を楽しむために炊いたサツマイモごはんも、ラスト。
約束の時間が近づくにつれ、だんだんと、ドキドキしてきた。
今日私は、美容院で髪を染めてもらうのだ。
以前ご紹介した、従兄の彼女さんに、2度目となるカラーをしてもらうのだ。
このドキドキは、期待半分、不安半分。
1度目、人生初のカラーのことは、あまり思い出したくない。
イヤな記憶ほど、心のいつでも取り出せるところに居座るのやめてほしいよね。
大切な記憶ほどすぐ取り出したいのに、心の奥深くに眠っているときがあるから厄介。
去年の夏、バッサリとボブにする勢いで、初カラーを彼女さんにお願いした。
生まれてから23年間地毛を貫いてきた私にとっては、かなり思い切った決断だった。
彼女さんは、その時も今までも、その素晴らしい腕前で私の希望をかなえてくれた。顎下で切りそろえられたボブに、ほんのり明るくなった髪色(最初なので控えめに、光にあてると微かに茶色いくらいでお願いした。)に、大満足だった。
異変が起こったのは、2、3日経ってからのこと。
最初は、うなじあたりがむずがゆくて、「ボブの毛先がちょうど当たる位置だからな」と気にせずにポリポリ搔いていた。
しかし、その後も中々かゆみが収まらないどころか、「痛かゆい」部類に入ってきた。
ついには、触れた時にざらざらとしたおぞましい感触がして、思わず血の気が引いた。
恐る恐る、祈るような気持ちで鏡を見ると、
やけどのような見た目と熱を持った赤いかぶれが、想像した何倍もひどく、首元に大きく広がっていた。
鏡に映る姿が現実だと思いたくなくて、しばらくは母に「首元、どうなってる?」と尋ねることさえ怖くてできなかった。
「わあ、ひどいね!」なんて言われたときには、とてもじゃないが立ち直れないから。(思慮深い母が言うわけないのに)
皮膚科に行っても、治るどころか余計に傷ついただけだった。
初めて染めたことを話すと、「じゃあアレルギーなのかもしれないね、そうね、もうカラーはできないね。うん、じゃあとりあえず塗り薬出しますね。」
「跡ですか?残っちゃうかもしれないですね。」
ノコッチャウカモシレナイデスネ。
淡々と無機質に説明するこの方は、ただお仕事をしてるだけだってわかっている。
必死にネットで、似たような症例や原因を検索した際に目にした言葉を、改めて直接告げられた。ただそれだけのこと。
でもその瞬間、崖の淵ぎりぎりにいた私の背中は、ポンと軽く押されてしまった。
それからしばらくは、どんな楽しいことがあっても、首元に意識が向くたびに鬱々とする日々の繰り返しだった。
...ああ、いけない、もうここらへんで。
ネガティブな記憶というのは、鎖のようにつながっていて、一つでも引き出そうとすると芋づる式で次々と襲い掛かってくる。
私が掘りたいのは、小さくても甘くて美味しい、ささやかな幸せのお芋だけなんだよ。
結論だけ言おう。あれから一年以上たった今、首元に跡は残っていない。
皮膚のサイクルか、保湿をマメにしたからか、徐々に薄くなっていったのだ。
途中、治ったと思ったら、また新たな場所がかぶれる、という風に根気のいる長期戦だったが、止まない雨はなかったらしい。
そのおかげで、今日、カラーをリベンジする決心がついた。
あの日ボブにしてから、首元を隠すように伸びていったロングヘア―は、綺麗なブラウンに染まった。「一生黒髪なら、せめて素敵なロングヘア―に」と、必死にヘアケアをやってきてよかった。
私は、ジアミンアレルギーなのかもしれないし、たまたま免疫が弱かったのかもしれないし、ストレスやホルモンバランスのせいかもしれない。そのどれも違うかもしれない。
だが、たとえまた繰り返しても、今度は突然の絶望じゃない。リスクを承知の上での自分の選択なんだ!
※11月11日現在、少し赤い湿疹が出るくらいで異常は見られない。
未然に防ごうと保湿をこまめにしている。
新しい私になって、美容院を後にする。
今日はなんと、もう一つ「人生初」を計画している。それがこちら。
視力が悪いのでコンタクトをつけるのには慣れているが、カラコンはつけたことがない。高校生のころ、友人の元々可愛らしい目が、突然宇宙人のように大きく、人工的で不自然な色になってしまった瞬間、躊躇いが生まれたのだ。
(もちろん、人様の選択に口を出すなんてこと一切しない。)
でも今は、何でも試して、経験してみたい自分がいる。「絶対無理」だと思っていた社会人になれて、一人暮らしもできた私を糧に、少しは強くなれたのかも。
もう一つの大きな理由として、ずっと前にはじめた、バケットリストの存在がある。
iphoneのメモ帳に書き連ね、叶ったらチェックしているのだ。(以下抜粋スクショ)
夢物語気分で考えたリストが、いつの間にかチェックされた瞬間、深い満足感と幸福に包まれる。
そのバケットリストにあったのが、「髪を染める」「カラコンをつける」の二つというわけだ。他のリストと比べ、すぐにでも実現可能だと、思い立った。
ドン・キホーテのカラコン売り場はかなり広く、ブランドも多すぎる。
その場で良さげなものを、という私の考えは浅はかだったらしい。
エバーカラー?というブランド(新木優子さんイメージモデル)が有名どころで初心者向けそうだったが、私の度数は在庫がないそう。
あ...そろそろ限界かも...。
HSP気質の私は、ドン・キホーテにいすぎると喧騒と情報量の多さで心身ともにやられてしまう。すでにグロッキーになりかけていたので、パッと目に入ったものを掴みレジへと直行する。
色も選ばなきゃなのか....じゃあ人気そうなこれで、はい。
後になって商品名に気づき、おかしくて笑ってしまった。
超モテコンウルトラワンデーの、つやモテリング。モテるといいね。はは。
10回分で2640円か...1回264円....旬のさつまいもがいっぱい買えるなあ....
とっておきの日に使おう。
こうしてまたひとつ、チェックがいれられそうだ。
前述したようにHSP気質な私は、変化が大の苦手。計画した予定が少し崩れるだけで、感情が大きく揺さぶられる。
安心・安定・平穏・ルーティーンが何より大事で....そりゃあ、繰り返すだけなら、失敗も絶望も、最低限で済むだろうしね。
(父も似たところがある。姉は海外で暮らせるほどのチャレンジャーなので、私が受け継いだらしい。)
でもね、変化しなければ私が望む夢は、人生は、絶対にこの先手に入らない。
だから、些細なことでも変化に慣れていかなくちゃ。
初黒酢料理、初一人居酒屋、初カラー、初カラコン、初一人旅....
そして、初の婚活。
実は今月から少しずつ、婚活を始めている。現代版お見合い、マッチングアプリを中心に。
以前、「異性の友達作り」を目的にアプリを使ったことがある。あまりのストレスに、1カ月ともたずやめてしまったが。
素性も知らない初対面の異性に会う、というストレス以上に、相手の気持ちばかりを優先させて、「ありのままの私」をうまく出せない自分に嫌気がさした。
私の未熟さによって、結果的にお相手にも失礼なことをしてしまった。
だから今回は、はじめから真剣に誠実に、”人生を共に歩めるパートナー”を探すことを目的にしようと考えたのだ。
...異性の友達すら作れなかったのに?
恋すら碌にしたことがない私には高すぎる目標で、もちろんそう簡単に巡り合えるわけもない。
だから。だからそうする。
結婚相手を探すなら、これまで以上に慎重に、限られた方としか交流しないし、その場限りで取り繕う防止にもなるだろう。
急ぐ必要もなければ、決して「大きな変化」にしたくないから。
初めて黒酢あんかけを作るように、初めて髪を染めてみるように、はじめたいんだ。
この日記に綴る、ありのままの私の日常に、ほんの少しずつ、些細な変化を受け入れたいだけ。
大丈夫、覚えてる。本を読める余裕も、人にも自分にも優しくいられる余裕も、忘れないままで。
繊細な自分の特性も大事にしてあげて、無理のないようにマイペースで進めるつもりだ。
そしていつの日か、「その人」と巡り会えたら、「その人」のためならば、きっと大きな変化すらいとわない。
その時は、とっておきのカラコンをつけなきゃね。
変化には必ず、希望と絶望が紙一重となって、付け合わせでついてくる。
でも、何があっても、新しい自分を、愛してあげられますように。
今朝もまた一つ、変化があった。
業務スーパーの「ホタテ入りクリーミーコロッケ」を楽しむため、このキッチンで初めて朝からジュージュー揚げ物をしたのだ。
サクサク、とろ〜りのコロッケに、舌鼓を打つ。
お好みソース、ケチャップ、ハーブ塩、田楽味噌、
変化を恐れず、味変してみようか。